2026-07-28

ビジネスの未来 ~エコノミーにヒューマニティを取り戻す~


日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、

ビジネスの未来 ~エコノミーにヒューマニティを取り戻す~

2020年12月初版



1.著者


山口 周

独立研究者。著作家。



2.どんな期待を持って読んだか


ろくすけ氏のブログにて知り、

「余暇が強制される社会が訪れたら、退屈が蔓延する」

という記述をみて興味を持ち、読んでみました。



3.構成


第1章 私たちはどこにいるのか?

第2章 私たちはどこへ向かうのか?

第3章 私たちは何をするのか?

    イニシアチブ1:真にやりたいことを見つけ、取り組む

    イニシアチブ2:真に応援したいモノ・コトにお金を使う

    イニシアチブ3:ユニバーサル・ベーシック・インカムの導入



4.全体的な所感


物質的に豊かになった今、私たちはどこに向かうのかという壮大な内容でした。

GDPによる指標が時代遅れであることにも納得します。

合理性だけを追求したら、人間社会は人間が不要になってしまうような気もします。

本書は、10年以上繰り返し、読んで考える、

「噛み続ける」ほどに美味しい内容だと感じました。



5.個別の印象的な内容


P59より、

例えばピケティが指摘する通り、

世界経済の成長率がこの先2%の「低調なペース」で推移したとしても、

世界経済の規模は、

100年後には現在の7倍に、300年後には370倍になっていなければなりません。

仮に多くの人が望ましい水準と考えている4%まで引き上げれば。。。

もはや意味がありません。

科学的にあり得ないことを信じることを「信仰」と言います。


P66より、

現在の社会システムやプラットフォームは

「成長が当たり前」だった1950~1960年代にかけて形成されたもの。

例えば、「新卒一括採用」「年功序列」「終身雇用」は、

無限に続く成長を前提としており、

今の日本企業を取り巻く状況とは不整合をおこしている。


P68より、

世界の人口は現在も増加しているが、注目すべきは「増加率」です。

増加率のピークは、1960年代で、これ以降は低下の一途をたどっています。


P125より、

1936年にシュンペーターは、アメリカ農務省での講演で、

「資本主義は生き延びうるか、いや、いずれ資本主義は自壊する」と述べた。

合理的で秩序だった計算のみに頼って「金儲け」だけを志向し、

人間性に根差した衝動」を失ってしまうことによって、

資本主義は滅びると予言している。


P175より、

コンサマトリーな社会とは、

例えば、放っておけない世の中の問題を見つけ、

それを解決することをビジョンとして掲げる人や組織に、

共感する人々が集まって高いエネルギーを放射する社会です。


P191より、

イノベーションを起こそうとしてイノベーションを起こした人はいない

という、半ば喜劇的な事実でした。

「この人たちを助けたい!」「これが実現できたらすごい!」

という衝動に駆られて、その仕事に取り組んだのです。

ポイントは、イノベーターたちが

「こうすれば儲かる」という経済合理的な目論見だけではなく、

放っておけない」「これをやらずには生きられない」という衝動によって、

イノベーションを実現させているのです。


P213より、

創造的な人々は、「豊かな感受性」を持っており、

興味や喜びを感じることに関わろうとする一方で、

仕事に退屈を感じると「素早く荷物をまとめてその場を立ち去る」のです。

このような行動は「ワガママ」として日本では批判されるものですが、

チクセントミハイによれば、まさにこのような思考様式・行動様式こそが、

創造的な人々に共通する「唯一の特徴」なのです。


P223より、

人生100年時代がやってくると、

多くの人は人生の中で何度かのキャリアチェンジをせざるをえないのですから、

自分がどのような活動に夢中になれるのか

逆にどのような活動にはシラけるのかを、

いろいろなことを試してみた上できちんと把握しているかどうかで、

その人の人生の豊かさは大きく変わってしまうことになります。


P285より、

経済成長を優先すれば、

アメリカのように格差社会を招くことになるし、

格差是正にウエイトをおけば、

経済成長はある程度犠牲にせざるを得ません。


P295より、

投票率の高い国がおしなべて国民負担率の高い国であるのは、

ある意味で自然なこと。

税金の用途について強い関心をもつのは当たり前のこと。



6.おススメな人はどんな人か


・社会とは? 資本主義とは? を考える人にお勧めしたいです。


・そして、今の社会は物質的な豊かさを実現しているのか否かを

 考えている人にもお勧めしたいです


・私は、アバンダンスとは真逆となる世界の解釈だと感じました、

 しかし、とても興味深く読み進めることができましたし、

 たくさんの合意する箇所もありました。


・個人的には、生産性が悪いことはとても嫌いなのですが、

 FIREしてからは生産性の悪いことをあえてすることがありますし、

 その生活にこそ、幸せを感じます



ありがとうございました、

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