日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
火星の決算日はいつになる? ~地球人のための会計入門~
2026年01月初版
山口 不二夫
明治大学専門職大学院 専任教授
本のタイトルの「火星の決算日」というキーワードに
強い興味を持ち、手に取りました。
確かに、地球では会計を1年で締めますが、
他の天体ではどう考えることができるのでしょうか?
3.構成
第1章 地球人のための会計入門
第2章 宇宙の決算日はいつになるのか
第3章 相対性理論と金利
第4章 宇宙の通貨と利益測定
第5章 財務諸表でわかる宇宙業界のいま
第6章 宇宙の会計は東インド会社に学べ
第7章 会計を制する者が宇宙を制する
4.全体的な所感
会計専門家が、宇宙ビジネスにも内容を絡めながら、
様々に想像力を使って展開するので、
後半は非常に面白かったです。
JAXA、NASA、ESAの会計的な捉え方を知ることができるし、
株式会社の歴史(1600年以降)について、
欧州の東インド会社などから学ぶことができて面白かったです。
しかし、本の構成がすごく嫌でした。
前半が「お勉強」のようで読み進めるのが辛かったです、
5.個別の印象的な内容
P54より、
国際会計基準は、投資家、とくに海外の投資家
に有利なしくみになっている。
P56より、
国際基準(トヨタや武田)は、日本基準(日産)よりも、
損益計算書の項目の数が少ない(買収検討の目線を合わせやすい)
P171より、
「利益」に関して、日本基準の会計は、
国際基準よりも利益と名のついた項目が多い
P174より、
国際会計基準では、特別項目の利益や損失は会社が
恣意的にコントロールできるものとされるため、認められていません。
P175より、
海外では日本基準は粉飾されやすいと思われていますが、
実は利益をひとまとめにする国際会計基準の方が、
粉飾がわかりにくいとも言えます。
粉飾を見つけようと思ったら、欄外の注記を詳細に見なければなりません。
P208より、
国を代表する大企業と組むことの多いJAXAと違い、
NASAが求めているのは新しい技術なので
イノベーティブで意欲のある中小企業を相手にします。
→大企業とJAXA、ベンチャーとNASA という関係が見えてきますね
P209より、
かつて日本が官民一体となって高度経済成長を実現した時は、
政府が民間を支援することに対して
「自由競争に反する」「やりすぎ」などと国際社会から非難を受けました。
日本はその後萎縮してしまいましたが、
世界は逆に「企業育成には政府支援が必要」だと日本の成功から学習したようです。
→日本の成功を世界が後追いをしてきたということでしょうか
6.おススメな人はどんな人か
会計に興味があるレベルの人におすすめです。
日本企業の経理現場を支える人よりも、
グローバルな視点で世界の会計基準の違いに
関心を持っている人ならば、楽しめると思いました。
ちなみに、
著者は、日本基準の方が、国際基準よりも良いと考えています。
私は、日本基準の代表例が日産という点が残念だと感じました。
ありがとうございました、
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