日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
富める者だけの資本主義に反旗を翻す
2025年04月初版
原 丈人
ベンチャー事業経営者
シリコンバレーを代表するVC(デフタ・パートナーズ)を創業。
後に、アライアンス・フォーラム財団を設立。
公益資本主義についての動画を観て、本も読んでいたが、
さらに新しい本に出合うことができました。
本当に、公益資本主義が正解なのかを知りたくて、
読みました。
3.構成
第1章 大切なのは「自分の頭で考える」こと。
他人の決めたルールがおかしいと思ったら、どうする?
第2章 自分の目で見よう、肌で感じよう。
机の上の勉強だけじゃわからないことだらけ!
第3章 解決策は、必ずどこかにある。
困ったときこそ、「自分の頭で考える」が試される
第4章 どう学ぶ? 人生を切り拓くために。
大学とは夢を実現するための武器を得るところ
第5章 人は「信頼」されると「奮起」します。
リーダーになったら、まずは仲間に信頼を与えよう
第6章 大好きなものがあることの、つよさ。
「好き」こそが将来の可能性を広げてくれる
第7章 夢のまた夢? それ、実現できるかもよ?
イメージは「見えない階段を1段ずつ」登ること
第8章 ルールやシステムは、もっとよくできる。
いい子で従っているだけじゃ何も変わらない
第9章 尊敬する人を見つけよう。
その人から学ぼう、その人の話を聞こう
4.全体的な所感
聞き手の奥野氏のおかげもあると思いますが、
表現が平易でくどくなく素晴らしかったです。
公益資本主義の正しさを説くというよりも、
原氏の人生経験を詳らかに遡ることによって、
感じたことなどを追体験できました。
例えば、学生時代に共産主義国を旅行し見聞きした話などは、
非常に興味深く読ませていただきました。
公益資本主義の理解が確実にできたかというと
ちょっとわかりませんが、希望ある考え方だと思いました。
しかし、2つの懸念を残しています。
①最終的に、香港を拠点にしていること
共産主義ではなく資本主義の側にたつのであれば、
香港を拠点にすべきではないと考えるからです。
②共産主義ではないと言い切れないこと
「教育を受けた、健康で豊かな中間層」を増やすことが世界のため
だというが、この表現は共産主義の理想としても言えそうだからです。
現段階の、自分の解釈は次の通り。
●株主資本主義
マッチするのは100人以上の会社。ヒエラルキー組織。株主と経営者が優先。
●公益資本主義
マッチするのは10人ほどの会社。フラット組織。従業員が優先。
●ステークホルダー資本主義
株主資本主義をより長期に見直しだけ。従業員も少しだけ優先。
5.個別の印象的な内容
P56より、
株主資本主義では、「会社は株主のものだ」と考え、
株主と経営者にのみ利益を極端に分配します。対して
公益資本主義では、すべての社中(仲間)に長期的に利益を還元すべきと考え、
従業員も大切にします。そして、
格差問題を解決する現実的な理念・手段として注目され始めています。
P150より、
闇雲に出資していたわけではなく、
将来的に考古学に役に立ちそうなテクノロジーにばかり出資していました。
まずはベンチャーキャピタルとして考古学のテクノロジーをサポートし、
その技術的な土壌を整えてから研究生活へ戻ろうと考えていた。
P218より、
自分の頭で考えて、自分で決める。
そのためのひとつは「現地に行く」だと思う。
つまり、「たくさんの意見に触れて五感で感じる」こと。
6.おススメな人はどんな人か
資本主義とは何なのか、共産主義とは何なのかということに関心があり、
その解像度を高めたい人にお勧めです。
それと、ベンチャーキャピタルの生き方としても参考になると思います。
原氏は考古学を中心として活動してきたのですね、
私は宇宙、教育、食料などを重点にしていますが、
ちょっとひろげすなのかもしれないと感じました。
読中で、様々なことを考えるきっかけとなり、
非常に楽しい時間となりました。
ありがとうございました、
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