日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
会社と株主の世界史
2025年1月初版
1.著者
中島 茂
弁護士、弁理士であり、法律事務所の代表
大企業の社外監査役なども歴任
2.どんな期待を持って読んだか
私は今、個人事業主であるが、
将来的には、株式会社or合同会社の設立を考えているため、
株式会社について深く学びたいと期待して手に取りました。
3.構成
第1章 「会社は法人である」って、どんな意味?
第2章 「定款の壁」を超えて
―怪物ウルトラ・ヴィーレスとの戦い
―怪物ウルトラ・ヴィーレスとの戦い
第3章 法人制度の欠陥
―法人は人に危害を加えても責任を負わない?
―法人は人に危害を加えても責任を負わない?
第4章 株主有限責任はなぜ認められたのか
―有限責任と引き換えに求められる公共性
―有限責任と引き換えに求められる公共性
第5章 株式の譲渡は自由で、証券マーケットは独立したもの
―株式を「売る権利」
―株式を「売る権利」
第6章 「所有と経営の分離」、だから「コーポレート・ガバナンス」
―そして、ガバナンスの核心は株主総会
―そして、ガバナンスの核心は株主総会
第7章 変化し続ける「株主総会」
―「万能主義」から「限定主義」、そして新たなステージへ
―「万能主義」から「限定主義」、そして新たなステージへ
第8章 株主と経営者は「株式会社」を変えていけるだろうか
4.全体的な所感
内容や表現が重めなので、読むエネルギーがだいぶ必要ですが、
法人、定款、株主総会、証券取引所などについて、
1600年頃からの歴史を概観しながら理解を深めることができます。
今の株式会社がどうしてこのようになっているのかを学ぶことができます。
法人は、有限責任であるだけでなく、
(民事・刑事)責任を負われないという衝撃の欠陥があること、
そして、その背景も語られており、株式会社の利点?を学ぶことができます。
5.個別の印象的な内容
P35より、
現代の株式会社の特徴は3つ。
①法人格があり、権利義務の主体になれること、
②構成員である株主が有限責任であること、
③株主の立場は自由に譲渡できること。
P163より、
株式会社は、果たして人類にとって有益なものであったのか?
産業革命を支えてきたのは株式会社です。
しかし、温暖化を加速してきたのも株式会社の営みなのです
P167より、
株式会社が大発展を遂げた理由は、「株主有限責任の原則」があるから。
個人事業では到底成し遂げられないようなビッグビジネスを
展開することが可能になったから。
6.おすすめなのか
株式会社の特徴をその背景と歴史から学びたい人、
時間がある人、
マニアックな人、
この3つに該当する人以外は、ちょっとゴツ過ぎるので、
おすすめできないと思います。
個人事業主から、
株式会社or合同会社を作ろうとしている人であっても、
(私のことですが)
もっと効率的に、実用的な理解ができる本があるはず、、、
と感じてしまいました。
そう感じておりながら、
結局、全文章を熟読してしまったことに、自分でも驚いています。
ちなみに自分は、
株式会社ではなく、合同会社を作ればいいかなと思いました。
ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿