日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
きみのお金は誰のため
2023年10月初版
1.著者
田内 学
2003年にゴールドマン・サックスに入社し、16年間従事。
2019年に退職後、佐渡島康平氏のもとで修業し、執筆活動を始める
2.どんな期待を持って読んだか
子供向けにも人気のマネー本ということなので、
どのような内容なのか気になっていました。
登場人物が、エンジェル投資家でもあり、
その仕事や意義について子供にもわかるように記述されていたので、
非常によい意味で、期待を裏切られました。
3.構成
第1章 お金の謎1 お金自体には価値がない
第2章 お金の謎2 お金で解決できる問題はない
第3章 お金の謎3 みんなでお金を貯めても意味がない
第4章 格差の謎 退治する悪党は存在しない
第5章 社会の謎 未来には贈与しかできない
最終章 最後の謎 ぼくたちはひとりじゃない
4.全体的な所感
奇遇にも、ゴールドマン・サックス出身の作家を
二連続で読む機会となりました。
非常に学びの多い内容であり、
子供に限らず、社会人でも読んだ方がいいと感じます。
最後の方では、
小説としてのストーリーに凝りすぎている感がありましたが、
やっぱり感動してしまいました。
読み物としても、
マネーリテラシーを学ぶコンテンツとしても、
素晴らしかったです。
登場人物のボスは、
エンジェル投資家でもあり、
私自身のエンジェル投資についても考えさせていただきました。
5.個別の印象的な内容
P33より、
焼却される紙幣は毎年30兆円ほど。
→そんなに燃やされているのかぁ
新札が手元によくくるわけだ
P100より、
無駄な仕事を減らすことで、経済は発展している。
経済の発展した成果を分かち合うことができなければ、
無駄な仕事が必要になる。
→トヨタなどは、無駄な仕事を減らすことが得意な一方で、
多くの会社や行政では、無駄な仕事を増やしまくっている
ここらへんが区別して解説されているともっとよかったなぁ
P149より、
ジョブズやベゾスなどの大富豪は、
世界中の人を等しく便利にした会社の創業者。
つまり、みんなの抱える問題を解決してくれたお金持ち。
自分の立場を利用してずるく儲けるお金持ちとは意味が違う。
→お金の有無軸と、問題解決の有無軸で整理すると、
正の相関を示すのが、アメリカであり、
負の相関を示すのが、日本なのかも
日本では、良いことをしてお金持ちになるイメージがほぼないのはなぜ。。。
6.おすすめなのか
エンジェル投資家しての、
社会という広い目線で捉えれば、正論だが、
雇用という狭い目線で捉えれば、冷酷な
ストーリーなどが面白かったです。
社会の経験のない人には、
理解しにくいとは思いますが、
ミクロとマクロの経済観を織り込まれている
すばらしい本です。
ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿