2025-07-14

キーエンス流 性弱説経営

       

日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、

キーエンス流 性弱説経営

2024年12月初版




1.著者


高杉 康成

キーエンスの新商品・新規事業企画担当を務めて、独立。
コンセプト・シナジー代表。



2.どんな期待を持って読んだか


「性弱説」とは、昔働いていたコンサルの会社でも
使っていた用語であり、人の本性を示す言葉だと思っています。

そのため、「性弱説」「キーエンス」というキーワードで
非常に面白い内容だと期待しました。



3.構成



第1章 高収益を生み出すカラクリ
第2章 キーエンスの強さを支える「性弱説」
第3章 性弱説視点で人を動かす
第4章 性弱説視点でモノ・カネ・情報の質を高める
第5章 「仕組みを動かす仕組み」が持つ価値



4.全体的な所感



「性弱」な社員が、企業における仕事をする際に
どのように「性弱」な面がでてくるのか、
それをいかに受け入れ、仕事をさせるようにしていくのか
という内容が丁寧に綴られています。

改めて、私は「性弱説」は、
いろいろなことに展開できると思います。

大企業のコンサルをしている時、
精緻で矛盾のない(複雑な)人事制度
設計したがる大企業がいました。

しかし、ほとんどの社員がその制度を運用することができませんでした。
正しい制度を提供すれば、万事うまくいくと考えたのでした。
性善説でした

これって、今の日本にも当てはまるのではないでしょうか、
性善説で人様に迷惑をかけないように育てられた日本の社会に、
性悪説の社会で育った人が入ってきたら、
常識はずれのことをしたり、今までにない犯罪が起きる
のは当然だと思うのです。

会社だけでなく、日本という国の社会の制度も、
「性弱説」で見直す時期になっているのではないか
と痛感しました。



5.個別の印象的な内容



P61より、
性善説は、人はみな本来善人であり、
「正しく聞けば、正しいことを話してくれる」「正しく指示すれば何でもできる」
という見方。
スケジュールを示せば守ってくれる。
一方、性弱説は、人は本来弱い生き物なので、
「難しいことや新しいことを積極的にはやりたがらない」
「目先の簡単な方法を選んでしまいがち」という見方。
計画を立ててもその通りに進まないかも。

P208より、
人を効果的に動かすために、一般的な(性善説の)会社では、
予算達成率による評価が多い。
キーエンスでは、
その評価に加えて、「前年実績からの伸び率」「金額自体の大きな」
などの複数うの指標を採用している。



6.おすすめなのか


とにかく「性弱説」という言葉は
人の本質をついているかと思います。

「人間とは何か」「どう生きるか」「他者とどう付き合っていくか」
ということを考えたことのある人におすすめです。

本書の具体的な事例は、若干表面的な気がしましたが、
これを自分の仕事に応用する着眼点として理解しておくことは、
非常に大事だと思います。

ありがとうございました。



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