日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
『日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略』
2022年09月初版
1.著者
菊池 正俊
みずほ証券エクイティ調査部ストラテジスト
東大農学部卒、大和証券、大和総研、メリルリンチを経て、
2012年より現職
外国人投資家との豊富な接点があり、多くの著作がある著者。
2.どんな期待を持って読んだか
日本株の売買の多くを外国人投資家が担っているため、
まさに彼らの「思考法と投資戦略」をしりたいと思い、手にとりました。
3.構成
第1章 「外国人投資家」とは
何者で日本の株式市場にどういう影響を与えているのか
第2章 外国人投資家が
好む業種と買いたくなる銘柄とはどういうものか
第3章 外国人投資家は
第3章 外国人投資家は
日本をこう見ている 政治・経済・金融・財政・ESG…
第4章 外国人投資家が
第4章 外国人投資家が
日本企業に求めているものとは
第5章 運用資産規模が桁違いに大きい米国投資家
第6章 日本株投資が縮小した欧州投資家
第7章 ヘッジファンドやアクティビストが多いアジアの投資家
第5章 運用資産規模が桁違いに大きい米国投資家
第6章 日本株投資が縮小した欧州投資家
第7章 ヘッジファンドやアクティビストが多いアジアの投資家
4.全体的な所感
具体的な数値や、
どこでその最新情報をアップデートできるかという情報も記載してあり、
非常にすばらしい本だと思いました。
5.個別の印象的な内容
P137より、
2022年の東証の市場構造改革(プライム・スタンダード・グロースへ)は、
外国人投資家に失望されました。
プライム市場へ移行するために必要な流通株式時価総額は100億円であり、
時価総額100兆円クラスの米国株を売買する外国人投資家からみれば、
緩すぎる基準でした。
もともと緩い基準なのに、
基準未達でも計画達成のための「適合計画書」を出せば、
プライム市場への移行が認められることになりましたので、
約300社の東証一部企業が「適合計画書」を提出しました。
P152より、
外国人投資家に繰り返し問われることは、
「なぜ日本企業の配当性向は30%で、自社株買いを加えた総還元性向が50%なのか」
ということです。
米国では配当性向は無配と100%近いところに2つのコブがあり、
日本企業のように正規分布していません。
成長力が欧米企業より低い日本企業はなぜ株主還元率が低いのか
と批判されてきました。
P230より、
ガバナンスを最重要視する米国投資家と異なり、
欧州投資家はサステナビリティやESG重視
P259より、
GIC(シンガポールの機関投資家)は1800人超の従業員がいるのに対して、
運用資産がGICの2倍以上のGPIFは、職員数が150名しかいません。
6.おすすめなのか
機関投資家について、
様々な観点から理解したいと思っている人向けです。
アメリカ、欧州、アジアの主要な外国人投資家の概要も整理されていて、
勉強になりました。
マスメディアでは触れられそうにない知識を得られる
貴重な本だと思します。
この著者には、
今後も注目していきたいと感じました。
ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿