2025-04-07

クリティカル・ビジネス・パラダイム

    

日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、

『クリティカル・ビジネス・パラダイム』

2024年4月初版




1.著者



山口周

慶応大学哲学科、美術史学修士。
電通やボスコンを経て、独立研究者


2.どんな期待を持って読んだか



私が実践していきたい長期投資やエンジェル投資にて
親和性が高いと感じていたため、読んだ本です。



3.構成



第1章 クリティカル・ビジネス・パラダイムとは?
第2章 クリティカル・ビジネスを取り巻くステークホルダー
第3章 反抗という社会資源
第4章 クリティカル・ビジネス・パラダイムの背景
第5章 社会を変革したクリティカル・ビジネスの実践例と多様性
第6章 アクティヴィストのための10の弾丸
第7章 今後のチャレンジ



4.全体的な所感


長期投資家に必須の概念だと感じています。

大衆としてのコンセンサスを取れていなくても、
世の中を大きく変える可能性のある挑戦の背中を押してくれるような
本です。

本のタイトルだけでは、
本書の内容を想像しにくいため、
爆発的な売れ行きは見込めなさそうです。

キャッチーな本タイトルにすることで売上を上げようとする
アファーマティブ・ビジネスではないのだなと
思ってしまうところがまた、良きです。



5.個別の印象的な内容



P33より、
誰もが当たり前だと思って疑わなかった社会の状況について、
批判的な眼差しを向けて考察するという、
もともとは哲学者やアーティストがやっていたことが、
クリティカル・ビジネスのイニシアチブをとるリーダーには求められる


P43より、
従来のソーシャル・ビジネスが、既に多数派のコンセンサスが
取れたアジェンダに対して取り組むのとは対照的に、
クリティカル・ビジネスでは、
開始時点では多数派のコンセンサスが
取れていないアジェンダに取り組むというのが大きな違い


P123より、
前著『ビジネスの未来』において、私たちの生を、
これまでの「未来のために現在を手段化する=instrumental」なものから、
現在の行為そのものが現在の喜びとなって回収される
 =consumatoryコンサマトリー」
なものへと転換させていかなければならないと指摘しています


P139より、
「顧客に応える」のではなく
顧客を鍛える


P183より、
ピーター・ティールの言葉
世界に関するアジェンダのうち多くの人は認めていないが、
 君自身が重要と考えているアジェンダは何か?」


P217より、
悪いリーダーは、人々から蔑まれる。
良いリーダーは、人々から敬われる。
最高のリーダーは、人々に「私たちがやった」と言わせる。




6.おすすめなのか



規模を拡大するようなビジネスに従事している人向けではありません。
0から1を創ろうとしている人向けです。

個人的には、非常におすすめです。
金儲けのための投資ではなく、
社会を長期でより良くするための投資をする人には、
必須の書だと感じています。

大衆が合意してくれなくても、
自分の思う正しさに向けて歩みを進めていくために、
共にいてほしい本ですね

私の投資の軸にしていきたい
と感じる内容でした。



ありがとうございました。



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