日々の読書から、おすすめを紹介します。今日は、
普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門
2021年7月初版
1.著者
山崎 俊輔
中央大学法学部卒、企業年金研究所、FP総研を経て、独立
2.どんな期待を持って読んだか
タイトルに「FIRE」とついている本は読むようにしており、
本著は、「日本版」とあえて銘打っているため、
他の本とどうちがうのか、
年金や社会保障に関して詳しく知れることができるのではないかと期待して
読みました。
3.構成
第1章 FIREの基本
第2章 もっと、もっと、もっと、稼ぐ
第3章 一円でも貯蓄額を増やすために節約する
第4章 貯めたお金をできるだけたくさん増やす
第5章 FIREのために絶対必要な知識
第6章 FIREを実行する3つのパターン
第3章 一円でも貯蓄額を増やすために節約する
第4章 貯めたお金をできるだけたくさん増やす
第5章 FIREのために絶対必要な知識
第6章 FIREを実行する3つのパターン
第7章 FIREに成功したあとのメンテナンス術
4.全体的な所感
400ページというボリュームがありますが、
楽しく2日間で読める内容でした。
P29やP235などで、
各章同士の構成を図解しており、道しるべとなります。
著者がFPのため、
全般的に保守的なスタンスだと思いました。
例えば、
4章では、インデックスの長期積立投資を推奨していること
5章では、住まいは、賃貸ではなく購入を推奨していること
6章では、定年の5年前にFIREする「プチFIRE」を推奨していること
などです。
上記について、私の感想は次の通りです。
6章について、
定年5年前の「プチFIRE」を目指すという話はあまり面白くないと思いました。
それは、FIREなのでしょうか。。。
本書では、50代FIRE、40代FIREも平行して紹介・解説していますが、
50代FIRE、40代FIREをメインに扱ってほしかったです。
4章について、
上記の「プチFIRE」を目指すのであれば、インデックス投資でいいと思いますし、
本書でもそういう内容でした。
不動産投資や副業という流れにもっていかないところが好感を持ちました。
5章について、
住まいを購入推奨している点は強い違和感を抱きました。
しかも、45歳までにローン返済をしてほしいという記述には理解に苦しみました。
購入推奨の理由は、老後2000万円問題の前提が持ち家想定だからということですが、
私は、それこそ、トリニティルールの4%取り崩しで
賃貸でも十分に暮らせると考えるからです。
5.個別の感想
P250より、
FIRE後に加入するであろう国民健康保険にも高額療養費制度があるので、
医療費の上限も心配ありません。
P245より、
(高額療養費について)3か月間は、月8万円、4か月目からは月4.4万円となるので、
年間60万円以上の医療費負担を考える必要はありません。
P360より、
任意継続について、協会けんぽの場合、給与計算上限30万円となる配慮があります
6.おすすめなのか
おすすめ度合いは、次のように異なってくるかと思います。
■リスクを取らず、資産形成にゆっくり取り組みたい読者
インデックスの長期投資をし続けて、60歳前後でFIREしたい人に
強くおすすめできる本だと感じました。
■リスクをとり、資産形成のスピードをアップさせたいFIRE希望者
早くFIREしたい人には、税金や社会保障などで、
大きなミスや失敗を犯さないように読んでおいてもいいかなと思います。
資産形成については、インデックスだけでは難しいと思うので、
別をあたりましょう。
些末な話をしてしまいますと、
年金や社会保障制度の具体的な記述がわかりやすかったです。
特に、上述したP360の任意継続の給与上限についての記述がある本は少ないため、
非常に価値のある部分だと思いました。
私がFIREした後の健康保険の試算していた時、
任意継続をすると会社員の時の単純2倍になると計算していましたから。
かなり支払う額が違い、驚いたものです。
なお、税金については、
本著ではなく、別の本で勉強した方がよさそうです。
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